Story龍神はーとのこれまでとこれから

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何もない村を飛び出して

皆さんは和歌山県にある龍神村という場所を訪れたことはありますか?
私たち龍神はーとが活動している龍神村は、県庁所在地である和歌山市から93km、車で約80分程度。「秘境」という言葉がよく似合う山深い温泉地です。
村で育った若者たちの多くが学校卒業後、仕事のある都市部へと出ていくこの地域で、龍神はーとの創業者、小川さだも他の若者たちと同じく10代の頃、何もない村が嫌いで高校卒業後、大阪へと移住しました。
しかし、結婚・出産を機に家業を継ぐため、Uターン。その時でも、地元は山深いだけ、不便で魅力がないとしか思っていませんでした。

移住者の方たちとの交流をきっかけに

転機が起きたのは、外からこの村に魅力を感じてIターンしてきた方々との交流から。
改めて外の視点を持って地域と向き合ってみると今まで当たり前だと思っていたものが、かけがえのない魅力だと気づきました。
2002年、そんな龍神村の魅力を自分たちでも守り伝えようと「村を愛する女性たちが畑から食卓へ、心と愛情をこめて龍神の宝物をお届けします」をテーマに龍神はーとを立ち上げることになりました。

龍神はーとの起ち上げ

起ち上げ当初はオリジナル商品づくりと共に、作った商品を村内のイベントや路上での販売から始めました。嬉しことに観光客や村外の方々からは大きな反響をもらうことに成功!
反面、地域内での活動に理解してもらうことに時間を要したこともありました。
それでも決してあきらめず、粘り強く仲間たちと共にこれまで続けられているのは、私たち主婦が作った物が目の前で売れること。喜んでもらえることが、大きな励みとなっています。

待望の店舗がオープン

主に路上販売やイベント出店を中心に活動していた龍神はーとですが、商品づくりができるキッチン施設を持ちたい。スタッフやお客様みんなの拠り所となる場所がほしいとの考えが徐々に強くなり、一念発起。
開始から5年後の2007年に龍神材を使ったログハウスを建設し、龍神はーとのお店がオープンしました!
自社商品を中心に龍神産特産品の展示販売所兼事務所として日々運営しています。

"わっかいち"の開催

店舗オープンと同じ2007年、龍神だけでなく和歌山県内の良品を当時まだ国内では物珍しかった野外手作り市、マルシェ形式のイベントとして「わっかいち」を企画しました。
ワークショップや子どもたちの発表会、龍神村よさこい祭などにも取り組み、関東や関西圏からの出店もあり最大来場者数1,200人を記録。地域の魅力を体験してもらう良いきっかけとなってくれたようで、多くの方々からの応援により、毎年10月に開催を続けていき、第9回まで続けることができました。

心と愛情を込めて届けるお弁当

龍神村で採れる山菜、きのこ、野菜や果物の美味しさをお伝えしたくて、材料の山菜採りや芋掘りから行っている手づくりの特製お弁当作りも当初より続けてきた活動の1つです。
お弁当部隊リーダーの秀ちゃんが旬の食材から献立を考えてお届けしています。
龍神村には十数社の企業の森があり、春の植樹、秋の下草刈りの際のお弁当のご注文もいただいています。

和歌山のてっぺんで村おこし

2011年には、より広域での連携事業に取り組めるよう一般社団法人熊野はーとを起ち上げ。
続けて、これまでの活動により生まれた商品たちを販売、体験できる場として「道の駅 田辺市龍神ごまさんスカイタワー」の運営にも乗り出しました。
龍神産品の展示販売から、地元食材を使った料理やスイーツを楽しめるレストランをオープン。またシーズンオフの積雪期間には子どもたちを対象にした「南国紀州の雪遊び」を開催しています。

新しい一歩

龍神はーとは現在、地域資源を活用した商品開発と販売 / 都市との体験交流 / 地場食材を使った弁当提供、食育活動 などの分野を手がけていますが、創業者である小川 さだは、一般財団法人龍神村開発公社「季楽里龍神」の専務理事としてより広い視点から龍神を盛り上げようと活動の場を移しつつあります。
そこで、数年前から長男の小川 直(おがわ なお)が龍神はーとの活動を引き継ぎ奮闘中。
龍神はーとは次の世代へバトンタッチしようとしています。

龍神はーとがこれから作りたい未来

私たちの次の新しい取り組みとして食品だけでなく、これまで邪魔木(役に立たない木材)として扱われてきたクロモジの精油を使った化粧水プロジェクトを開始しました。
その他にも、村内の人口減少、高齢化に伴い増加している遊休地の再生プロジェクト / 龍神の宝をもっと多くの人に届けられるよう、ギフト向け商品の開発
など、未来を作る種をこれからも蒔き続けます。

未来に希望を持てる地域にしたい

活動を始めたことで、村に雇用が生まれ、UターンIターンの若者を雇用できる環境ができました。
村の外へ出ていくしかなかった若者たちが希望と誇りを持てる地域。帰ってこれる地域でありたいと小さな取り組みを積み重ねて来ました。
そのためにも、想いだけでなくきちんとお金の流れを作ることも大切だと痛感しています。
次の世代にも龍神の宝を繋げていけるよう、これからも龍神はーとは仲間たちと共に一歩一歩進み続けます。

メディア出演情報

【TV出演】
笑ってこらえてダーツの旅・NHKあさイチ・よ〜いドン!・ちちんぷいぷい

【新聞、雑誌】
家庭画報2009年1月号・じゃらん関西版 2014年2月号・朝日新聞 2012年11月6日・日経プラスワン 2013年2月2日・日本農業新聞 2014年11月6日・MAQUIA2015年12月・旅サライ 2015 新春号・旅の手帖 和歌山・漫画おいしんぼ・ことりっぷ和歌山ほか

スペシャルサンクス

馬路村 松崎先生 / 良品工房 白田先生 / 東京會舘 鈴木料理長 / こみしょう 堀田雅湖様 / 萬眞智子様 / 向笠千恵子様 / 貝谷育子様 / ※順不同

地域おこしを始めて全国に仲間ができ、この活動をしていなければお目にかかれないような方々と巡り逢えた事や、数々の貴重な体験もできました。
全然おきない地域おこし。
ゴールはありませんが後悔が残らぬよう、今一度地域資源を掘り起こし、龍神にしかない「コト(物語)」を売れるよう、今後も地域外とのネットワーク構築に努め地域づくりに取り組んで参りたいと思います。

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